おすすめの落葉低木をご紹介します。
メンテナンス性が特に重視される最近のエクステリアやガーデンにおいては、植栽も常緑樹が中心となりがちです。
しかしながら、季節感が楽しめる上に、花や実にも特長的なものが多いのはやはり落葉樹です。
また全体で見ても常緑樹と落葉樹の「組み合わせバランス」はやはり重要です。
今回は、見所があって育てやすい落葉低木を中心にご紹介します。
皆様のお庭やエクステリアにバランス良く取り入れていただきたいと思います。
昔から私達に馴染のあるアジサイです。数ある品種の中でも今回は”アナベル”と”カシワバアジサイ”をおすすめします。
特長は何よりも梅雨時期に咲かせる花でしょう。季節の風物詩ですね。
“アナベル”は白い可憐な花が美しく、”カシワバアジサイ”は柏に似た葉っぱも特長的です。
普通のアジサイに比べ、最近のエクステリアやガーデンに調和するアジサイだと思います。
毎年花を楽しむためには、剪定の時期がポイントとなります。
基本的にアジサイは、「花後すぐ」に花芽の2~3芽下で切り落とします。
花後しばらくしてすぐに翌年の花芽を付けるため、それ以降の時期に剪定すると、翌年の花付きが悪くなるためです。
“アナベル”は、翌年伸ばす枝に花芽を付けるために、「花後すぐ」でなくても大丈夫。
“アナベル”は、株が若いうちに「花後すぐ」になるべく下の方で切り戻して新芽をたくさん出させることで株を充実させます。
こうすることで、後にたくさんの花を楽しむことができるようになりますので、植え付け後、初期の剪定がポイントです。
ご存じブルーベリー。
初夏には実の収穫を、秋には紅葉も楽しむことができます。
例えばシンボルツリーのジューンベリーと併せてビルベリー・ヒメイチゴノキ・ワイルドストロベリーなどを植え込むことで、お庭の一部に収穫を楽しめる「ベリーガーデン」を作ることも可能です。
注意点はいくつかありますが、一度根付いてしまえば果樹の中でも比較的育てやすい部類です。
結構な量の収穫も期待できますので、挑戦する価値ありです。
【土壌】
酸性土壌を好みます。ピートモスという土を多めに植え付けましょう。
【組み合わせ】
同系統異品種の株を組み合わせることで実付きが良くなります。
主な系統は「ラピッドアイ系」「ハイブッシュ系」「サザンハイブッシュ系」。
同じ系統の中から、違う品種を選んで2本以上植え付けましょう。
系統と品種はラベルを確認してみてください。
【水切れに注意】
水切れを嫌います。特に春~夏にかけて、水切れを起こさないように注意しましょう。
【剪定の時期】
何もしないと結構大きくなりますので、「実の収穫後に間引き剪定、翌2月頃に整枝剪定」を行います。
南欧原産の落葉低木です。別名「チェストベリー」。
チェストベリーは、薬用効果のある木として有名です。
夏頃から涼しげな青紫の花を咲かせます。葉も細くて清涼感のある樹木です。
花・実・葉には芳香があり、ハーブとしても使われます。
強健な性質で、基本的にどこでも育ちますが、花付きを良くするためにはなるべく日向に植えましょう。
生長すると横に枝を広げるイメージです。
結構大きくなります。
剪定は、落葉期の2~3月頃に行ってください。
葉の色が特長で、庭のアクセントとして重宝します。
緑・黄色系の植物と組み合わせると、お互いがより映えて見えてGOODです。
5月頃に咲く花と、さらに色付く紅葉も特長です。
強健な性質で病虫害にも強く、非常に育てやすい樹木です。
形が乱れた時の剪定は、「花後すぐ」に行ってください。理由はアジサイと同じです。
枝葉が混んできたら、風通しを良くするために、透かし剪定も行います。
庭木として近年人気ですが、販売価格が他に比べて若干高いかもしれません。
セアノサスは常緑樹で青い花。
“マリーサイモン”は落葉樹でピンクの花を咲かせます。
どちらも春に咲く花が美しく、お庭の中でも非常に目立つ存在です。
日当たりを好みますが、夏の直射日光や湿気・冬の寒さを嫌います。
水はけの良い土壌を好みますが、乾燥し過ぎるのも良くありません。
剪定は花後すぐに、枝を透かしながら間引くように行い、風通しよく管理します。
少しデリケートな植物ですが、根付いてしまえば意外と強く、毎年きれいな花を楽しませてくれるでしょう。
梅雨頃~初夏にかけて、可憐な小さな花をたくさん咲かせます。秋の紅葉も楽しめます。
原産国は日本~アジア。
とても身近で、葉も花も優しいイメージの植物です。
日当たり・水はけ・風通しの良い場所で育てますが、それほど気にしなくても大丈夫です。
春~秋にかけてアブラムシが発生することがありますので、風通しを良くする意味でも2~3月頃に剪定をすると良いと思います。
丈夫で最も育てやすい落葉低木の一つです。
寒さにも暑さにも強く育てやすい、花が小さくて可憐、初年度の夏と冬には注意、水切れと枝の乱れに注意
花が特長的、花に蝶が寄ってくる、日当たりを好む、幹が木質化してごつくなる、剪定必須
初夏に花、秋に紫色の実をたくさん付ける、紫は昔から高貴な色、枝が枝垂れがち、水切れに注意
春頃白い花を一面に咲かせる、枝垂れが特長的、日当たりの良い場所を好む
春に黄色い花を咲かせる、株がどんどん増えて生育旺盛、半日陰を好む、白い花を咲かせる白ヤマブキも良い
どの落葉低木も見所がたくさんあります。
特に「花」はそれぞれ特長的で、落葉樹の大きな楽しみの一つだと思います。
高木を何本も植える必要はありません。
低木でも、落葉樹を少し植えるだけで十分季節感を楽しむことができます。
常緑樹と組み合わせることで、お庭のバランスも良くなるはずです。
今回ご紹介したのは、樹木のほんの一部です。
最近はホームセンターも充実してきました。
皆様にとってお気に入りの樹木を、ぜひ見つけてください。