今回は、おすすめ樹木「落葉樹編」です。
庭を造る上で常緑樹:落葉樹のバランスは、3:7もしくは4:6くらいがベストだと言われています。
落葉樹は落ち葉の掃除など、とかくメンテナンスに焦点が当てられがちで敬遠される方もいらしゃいますが、冬に日を入れることができたり、四季を感じられたりという常緑樹には無い魅力があるのも事実です。
紅葉がきれいなのも落葉樹の特長です。
今回は数ある落葉樹の中から、樹姿がきれいで庭木として比較的メンテナンスが楽なものを中心にご紹介します.
ぜひお庭の植栽やシンボルツリー選びの参考にしてください。
花~新緑~実~紅葉~落葉と、一本で四季の変化を楽しめます。
白い可愛い花、熟すと甘い実、オレンジ系の紅葉、どれも魅力的です。
樹姿も良く、落葉樹の中でも育てやすい樹木です。
実をついばみに鳥が寄ってくることがあります。
それが嫌な場合はやめた方が良いでしょう。
枝の一部は徒長的にぴゅーっと伸びますので、コンパクトに維持しようと思えばある程度の剪定作業は必要です。
春~夏にかけては水切れに注意しましょう。
繊細な枝葉が涼しげなアオダモは、雑木風植栽には欠かせません。
枝振りも良く、一本でも様になります。
ジューンベリーほど年間を通しての見所はありませんが、強健な性質で病虫害にも強く、非常におすすめです。
イチロー選手が北海道産アオダモのバットを使っていたのは有名な話です。
一度根付いてしまえば特に注意点もありません。
メンテナンスも、枯れ枝を除去するくらいでしょうか。
大きくなってしまっても剪定することができますし、乾燥にも寒さにも強いので、とても育てやすい樹木だと思います。
こちらも雑木の代表格。
5~6月頃に白い花が一面に咲き、紅葉も楽しめます。
樹形も自然と整います。
他の落葉樹と比べて葉も大きめで幹もしっかりしていて、丈夫な印象です。
樹形は自然とまとまりますが、比較的大きくなる樹木です。
植える場所によっては、剪定の必要性があります。
病虫害にも強い方ですが、それでも虫が付くことはありますので注意しましょう。
花が一面に咲く姿は、常緑ヤマボウシ同様好みが分かれますので、事前に確認することをおすすめします。
何と言っても美しい紅葉が期待できます。
数あるカエデの中で、樹形も比較的コンパクトにまとまりますので、庭木に適したカエデと言えるでしょう。
シンボルツリーとして、和・和モダン・シンプルモダンにも調和します。
乾燥を嫌います。西日が幹や根元に直接当たるような場所は特に気を付けましょう。
夏場は水切れにも注意してください。
また、イラガという毛虫が付くことがあります。刺されるとちくっと痛いです。
病虫害に対しては、他の樹木程ほど強い方ではないと言えます。
カエデ同様紅葉がとても美しいのが特長です。
枝葉も繊細で、夏場は涼しげです。
生長もゆっくりで強健な性質。育てやすい落葉樹です。
低木扱いでそれほど大きくなりませんので、シンボルツリー1本としては使いにくいかもしれません。
またアオダモのように上にスリムに伸びるというよりは、上~横方向に枝を広げるイメージです。
春~秋にかけては、アブラムシなどの害虫と水切れに注意が必要です。
他のおすすめ落葉高木をいくつかご紹介します。
花がきれい、幹肌が特長的、樹形がきれい、西日に弱い
趣のある下向きに咲く花、樹形がきれい、横に広がる、実は有毒
樹形がきれい、幹肌がきれい、少し地味
樹形がきれい、紅葉がきれい、実がきれい、低木扱いで大きくならない
花がきれい、コンパクトで育てやすい、西日に弱い、株立ちのものが無い
花・新緑・実・紅葉・落葉と、シーズン通して樹木の変化を楽しめます。
お庭や玄関先で、四季の変化を体感できるのは落葉樹の大きなメリットです。
落葉樹の葉を落とす性質を利用することで、夏は日陰・冬は日向を作り出すことができます。
真夏の日光を遮りながら、冬は日を入れることができるのも落葉樹の特長です。
落葉樹には紅葉が美しいものがたくさんあります。
これは常緑樹には無い特長です。
紅葉を身近に楽しみたい場合は、落葉樹がおすすめです。
落葉樹は、樹形や花がきれいなものが多く揃っています。
樹形も自然と整うものが多く、普段の剪定はそれほど必要ありません。
常緑樹と違い、寒くなるといっぺんに全ての葉を落とします。
落ち葉がお隣に飛んで行ったりするのは困りものですよね。
植える場所をよく考える必要があります。
12月頃~3月頃までは葉が無い状態が続きます。
シンボルツリーとして一本だけ植えている場合は、緑が無いことに少し寂しさを感じるかもしれません。
常緑の低木と組み合わせたりして、寂しさを感じさせない工夫が必要です。
落葉樹には西日に弱いものが多いです。
特にヒメシャラやハナミズキなど、葉・幹が薄いものは夏場の西日が非常に苦手です。
葉や幹が傷んでしまうと樹木そのものが衰弱してしまうこともありますので、植え場所は十分考えましょう。
メンテナンスが楽だからといって、お庭の植木が全て常緑樹だと不自然です。
何本か植えることができる場合は、落葉樹も組み合わせることをおすすめします。
1本しか植えられない場合は、常緑樹と落葉樹の特性をよく理解し、最適なものを選んでいただきたいと思います。
シンボルツリーに常緑樹と落葉樹のどちらが正解ということはありません。
施主様の好みやメンテナンス性などをよくお考えいただき、ご家族で無理せず育てらるお気に入りの一本を見つけていただきたいと思います。