芝生の庭に憧れはあるけど、メンテナンスができそうもない・・・。

庭の日当たりが悪くて、天然芝は無理そう・・・。

砂利敷きにするか、コンクリートにするか、芝生にするか、人工芝にするか迷っている・・・。

そんな悩める皆様のために、今回は「人工芝」についての特集です。

メリット・デメリットなど詳しく解説していきます。

天然芝からのリフォームや、最初から人工芝をご希望されている皆様も含めて、ぜひご覧ください。

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人工芝の種類

人工芝には種類があります。

大きく分けると、芝目が長い「ロングパイル人工芝」と芝目が短い「ショートパイル人工芝」の2種類です。

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この人工芝は、「クローバーターフ」という製品です。

カールタイプがショートパイル人工芝にあたり、それ以外がロングパイル人工芝です。

ロングパイル人工芝

芝目が長いものをロングパイル人工芝と言います。

クッション性があることから安全面でのメリットがあり、運動場や競技場などの施設にも使われています。

子どもと遊んだり、運動をすることがある場合は、ロングパイル人工芝がおすすめです。

ロングパイル人工芝にも、種類があります。

forgarden-03-03レギュラータイプ(30mm)

forgarden-03-04プレミアムタイプ(30mm)

forgarden-03-05遮熱タイプ(45mm)

レギュラータイプは、一般的なロングパイル人工芝。

プレミアムタイプは、レギュラータイプより密度が濃く、肉厚で保持力も高い(へたりにくい)人工芝。

遮熱タイプは、地表温度の抑制効果がある上に、クッション性も見た目も備えたハイスペックな人工芝。

このように、ロングパイル人工芝にも種類がありますので、使用する場所や目的によって選びましょう。

ショートパイル人工芝

芝目が短いものをショートパイル人工芝と言います。

ロングパイル人工芝に比べてクッション性はそれほどでもないですが、

・見た目としてより均一

・歩きやすさ

・掃除のしやすさ(ごみの溜まりにくさ)

などが特長です。

forgarden-03-06カールタイプ(13mm)

以前は人工芝といえばこのタイプが主流でした。

最近はロングパイル人工芝と、人気が逆転している印象を受けますが、用途や目的によってはこちらの方が優れている場合があります。

・ただ雑草を抑えたい場合

・ゴルフのパターの練習

・ぬかるみにマットとして使用

これらの場合はショートパイル人工芝の方がより適しています。

人工芝は他にもメーカーによって様々な種類が出ています。

人工芝をお考えの皆様は、ぜひ色々なタイプを見比べて選んでいただきたいと思います。

人工芝のメリット

次に人工芝のメリットについてです。

メンテナンスが楽

人工芝の最大のメリットは、メンテナンスが楽なこと。

天然芝と違い、維持管理の必要がありません。

生長することもなければ枯れてしまうこともなく、病気になったり害虫が付く心配もありません。

天然芝のメンテナンスに必要な、芝刈り機を使う時の電気代・水やりの水道代・肥料代等も一切かかりません。

一度敷いてしまえば、日常の掃除以外特に何もしなくても大丈夫です。

メンテナンスが楽ということが、人工芝の最強最大のメリットです。

場所を選ばない

人工芝は天然芝と違って、日当たりは関係ありません。

建物の北側・ブロック塀の際・大木の陰・・・どんな場所でも敷くことができます。

建物の軒下等の雨が当たらない場所は、植物は枯れてしまうことが多いですが、人工芝なら問題ありません。

下地の土の性質が悪くても、関係ありません。

場所を選ばないということも、人工芝の大きなメリットです。

年中緑

天然芝には「夏芝」と「冬芝」があります。

一般家庭の庭で使われる天然芝(コウライシバなど)は、「夏芝」です。

夏芝とは冬に地上部が枯れて茶色くなる芝生のこと。

冬期に茶色いままの芝生、皆様もご覧になったことがあるのではないでしょうか?

一方人工芝は、当然ですが一年中緑を保ったままです。

冬も鮮やかな緑のままということが、天然芝との違いです。

人工芝のデメリット

一方、当然のことながらデメリットもあります。

人工物であること

人工芝はあくまで人工物。

素材は主にポリエチレンです。

天然芝から感じる心地よさや気持ちよさ、癒し効果はありません。

天然芝と違って、お庭における湿度調整効果もありませんし、大気の浄化作用もありません。

冷めた言い方になってしまいますが、あくまで人工物です。

コストがかかる

製品の定価は、一般的な人工芝で1㎡あたり2千円~6千円程。

市販されている天然芝(コウライシバ)の約4~5倍程でしょうか。

ハイスペックな人工芝になると、1㎡あたり1万円以上するものもあります。

製品単価で言うと、天然芝に比べてやはり割高ですね。

特に大面積の場合は、要検討です。

耐用年数がある

意外に知られていませんが、人工芝にも耐用年数があります。

設置環境や使用状況にもよりますが、だいたい10~15年程と言われています。

天然芝には当然のことながら耐用年数という概念はありません。

維持管理さえすれば、ずっと育てることができます(枯らさなければですが・・・)。

どんなにリアルに作られていてもやはり人工物ですから、時の流れには逆らえません。

水ですべりやすい

ロングパイル人工芝の素材であるポリエチレンは吸水性がありません。

水を吸わない分、衛生的に使えるのですが、水に濡れると非常に滑りやすくなります。

特に傾斜地では、芝目が倒れている方向に対してかなり滑ります。

雨の日や水遊びの時には、特に注意が必要です。

高温に注意

夏の高温下、人工芝は熱くなります。

人工太陽光照射30分間での表面温度は、

・一般タイプ約70℃

・遮熱タイプ約60℃

となっています。

メーカーの注意書きには、夏場は火傷に注意してくださいとまで記載してあります。

高温下では特に素足で使用するのは避けましょう。

火気に注意

人工芝には防炎認証済みのものが多いですが、決して火気を近づけないでください。

加熱により芝が溶けたり変形したり、場合によっては火災の原因ともなります。

見た目が芝生だからといって、天然芝と同じ感覚でいると危険です。

あくまで人工芝は合成樹脂であるということを忘れないでください。

ゴムチップに注意

人工芝のクッション性をより良くするために、細かい専用のゴムチップを撒いてある競技場やスポーツ施設があります。

ニュースにもなっていましたが、このゴムチップ、激しいスポーツをする際には吸い込んでしまうことがあるそうです。

有害物質が含まれたゴムチップもあり、アメリカでは健康被害も報告されています。

日本の一般家庭ではあまり一般的ではないと思いますが、ゴムチップはその安全性を確かめてから利用するようにしてください。

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人工芝の貼り方

次に、自分でちょっとやってみたいという方のために、人工芝の貼り方を説明します。

数㎡程の面積であれば、DIYも十分可能だと思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

※今回の貼り方は、下地が土の場合です。

土を均す

まずは凸凹の土を、踏み固めながら平に均していきます。

土を均す時は、大きな砂利等を取り除きながら行いましょう。

雑草が発生している場合は、事前にしっかり除去しておきます。

可能であれば、下地の土にわずかな傾斜を設けます。

下地に傾斜を付けることで、仕上がりの芝面に水が溜まるのを防ぐことができます。

建物に隣接している場合は1mあたり2~3cm程、建物から遠くなるにつれて低くなるように傾斜を付けると良いと思います。

防草シートを敷設する

土を均したら、防草シートを敷設します。

ちょっとしたスペースであれば、1m幅のものが使いやすいです。

防草シートはカッターで切断しながら、何か所かピン等で止めていきます。

人工芝の台座(基布)には水を排出するための穴が開いています。

そこから雑草が生えてくる可能性がありますので、できれば防草シートを併用することをおすすめします。

シートがあれば人工芝を貼る際に、接着剤や両面テープを使うこともできるようになります。

採寸・カットする

人工芝を仮置きしてみます。

その時には「芝目」を揃えるのがポイントです。

芝目は倒れている方が正面になります。必ず芝目を揃えて仮置きしましょう。

次にスペースに合わせて人工芝を採寸し、カットします。

人工芝の台座(基布)は、結構しっかりしていて固いです。

よく切れるカッターを使って、刃はこまめに取り換えてください。

切れないカッターは怪我の元になります。

人工芝を敷く

最後に人工芝を敷きます。

止めるのは、ピン・人工芝用の接着剤・人工芝用の両面テープなどがあります。

基本はピン止めで、端部やピンが打ち込めないところは接着剤やテープを使用すると良いと思います。

ピンを打ち込む時は、地中埋設物に注意してください。

特に給水管・電気配線は要注意です。

違和感を感じたら無理に打ち込もうとせず、接着剤と両面テープを使用した方が安心です。

人工芝まとめ

人工芝について、主に天然芝との違いに着目しながらまとめてみました。

近年人工芝はますますリアルになってきました。

特にロングパイル人工芝は、3~4種類の芝糸が使われていて、芝の茶色い枯れ葉まで再現されています。

ちょっと遠目で見ると、天然芝と区別が付きません。

もはや見た目は本物に近づきました。種類も豊富です。

メンテナンス性の良さも間違いありません。

今後も人工芝を使った庭は増えていくと思います。

特性やデメリットをよく理解した上で、お庭に上手に取り入れていただきたいと思います。

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