エクステリア(外構)には、どんなスタイルがあるのか。
それぞれのメリット・デメリットは?
最初の打ち合わせで聞かれることも多い、「エクステリア(外構)のスタイル」について、詳しく解説してみたいと思います。
エクステリア(外構)のスタイルには主に三種類あります。
・オープン
・クローズ
・セミクローズ
です。
言葉から何となくイメージできそうですが、自分の家のエクステリア(外構)がどのスタイルに適しているのか・・・。
イメージだけでははっきりと分からないですよね。
何となく特長は分かっても、どんなメリット・デメリットがあるのかまでは中々分からないと思います。
最初の打ち合わせで、担当者に「どのスタイルにしますか?」と唐突に聞かれることがあるかもしれません。
そんな時も施主様が戸惑うことが無いように、それぞれのスタイルを詳しく解説していきますので、ご家族の生活様式や好みと照らし合わせながらご覧ください。
まずは「オープン」編です。
オープンエクステリアとは、敷地が塀やフェンスなどで囲まれていないエクステリアのこと。
一部囲まれていても、門扉等で完全に閉じられていない開口部がある場合のエクステリアも、オープンエクステリアに含んでいます。
最近のエクステリアは、このスタイルが主流です。
分譲住宅地のエクステリアは、ほぼ100%オープンスタイルですし、NOD GARDENでも施工事例の80~90%はオープンスタイルのエクステリアとなっています。
さて、このオープンエクステリア、一体どんなメリット・デメリットがあるでしょうか。
何よりも一番のメリットはコストが抑えられることです。
オープンエクステリアは、門扉、敷地を囲うブロック塀やフェンス、駐車場の入り口に設置されるオーバードアや伸縮門扉などがありません。
それらは製品の性質上サイズも大きく、比較的高価格なものが多いこともあり、それらのコストが一切かからないということは、大きなメリットです。
近年オープンエクステリアが主流になってきているのも、これが最も大きな要因だと考えられます。
駐車場の出入りや門扉の開閉は、ほぼ毎日行われる動作です。
それらを日常生活の中で一切する必要がないのも、大きなメリットと言えるでしょう。
特に駐車場のオーバードアや伸縮門扉。
手動タイプの場合は、開け閉めするためだけに毎回乗り降りが必要です。
玄関側のエクステリア門扉も、自転車で帰って来た際や両手が荷物で塞がっている時などは、開錠や開け閉めが面倒なものになります。
せっかく設置したのに、鍵も閉めずに扉も開けっ放し状態・・・こうならないためにも、事前に普段の生活をイメージしてみてください。
敷地に囲障物が無いために、より開放的です。
視覚的に敷地が広く見える効果もあります。
オープンスタイルのエクステリアが連続した住宅地の場合は、街としても明るく開放的なイメージですよね。
比較的若い家族をメインターゲットにした、新しい住宅地では特にこれが顕著です。
同世代のお隣さんやご近所との交流、子育てを考えた時、エクステリアに閉塞感が無いというのは大きなメリットと言えるでしょう。
門扉や塀が無いために、その分敷地を広く活用することができます。
特に敷地に余裕がない場合、門扉やゲート、ブロック塀などが邪魔になることがあります。
同時に門扉等はその動作範囲を空けておく必要がありますので、”見えない使えないスペース”が生まれることになります。
オープンエクステリアは、人や車の動線を制限するそれらが無いために、より機能的です。
住宅の防犯については、各メディアでもしばしば特集されています。
エクステリアにおいては、防犯上「不審者が隠れる場所がない」というのが重要なポイントです。
オープンエクステリアでは、連続したブロック塀等が無いため、外から敷地が見通せることが多いため、防犯上もメリットがあると考えられます。
オープンエクステリアでは、囲障物によって、風通しや日当たりが悪くなったりすることがありません。
土地を購入する際にはあれほど気にしていた、日当たりや風通し。
建物完成後にはどうしても忘れがちですが、エクステリアにおいても、風通しや日当たりの確保は重視すべきポイントです。
特に北側道路+玄関の場合。
北側は建物の陰になることが多く日当たりが制限される上に、場所によっては風通しも悪かったりします。
囲障物、特に壁などにはコケや汚れが付きやすい条件が揃っていますので、注意が必要です。
以上がオープンエクステリアの主なメリットです。
ではデメリットはどうでしょうか。
オープンエクステリアは、敷地が囲われていないために、誰でも入ってこれてしまいます。
例えば不要な営業や勧誘など、事前に敷地外でシャットアウトできないのは大きなデメリットと言えるでしょう。
また道路に対しても敷地がオープンなため、
・お子様の道路への飛び出し
・車のすれ違いで使われてしまう
・犬の散歩で入られてしまう
・駐車車両へのいたずら
・外水栓へのいたずら
・自転車や配達物の盗難
などの可能性も否定できません。
これらの発生リスクは、
・周辺環境
・前面道路の交通量
・前面道路の幅員
などによって大きく左右されます。
看過できない事態につながる恐れもありますので、オープンエクステリアを考えるにあたっての要注意事項の一つです。
オープンエクステリアは外から丸見えになってしまうことも多く、プライベート性はどうしても低くなります。
部屋であればカーテンを閉めればある程度は防げますが、ことエクステリアとなるとそうはいきません。
特に、
・花壇や菜園を作って外で過ごす時間が長くなりそう
・休みの日にお子様を外で気兼ねなく遊ばせたい
・ウッドデッキやテラスがあり、そこで過ごす時間を大切にしたい
・洗濯物を外で干すことがある
・ペットを自由に遊ばせたい
このような希望をお持ちの施主様にとっては、プライベート性は重要な要素でしょう。
プライベートスペースとしての空間価値は、オープンエクステリアにすることで劣る部分が出てきますので、この場合は検討の余地ありです。
オープンエクステリアでは、壁や門扉がありませんので、外部空間に立体感や重厚感を出すことが難しくなります。
何となくのっぺりしているなぁと感じるエクステリアは、おそらくそのほとんどがオープンスタイルだと思います。
無理してエクステリアに重厚感を出す必要など全くないのですが、特に留意すべきは建物や周辺環境との調和です。
土地の広さというよりも、建物のイメージや住宅地の雰囲気などによっては、少し重厚感を演出した方がしっくりくる場合がありますので、その場合はオープンエクステリアは不適と言えるかもしれません。
以上がオープンエクステリアの主なデメリットです。
オープンエクステリアは、おそらくこれからもエクステリアの主流なスタイルであり続けると思います。
デメリットを解消するためのアイデアも、エクステリアデザイナーはたくさん持っていますので、ぜひご相談ください。
主流な上にコストがかからないとくれば、何の疑問も持たずにオープンスタイルを選択される施主様も多いでしょう。
しかしながらデザイナーのアイデアだけでは解消しがたいデメリットがあるということも、施主様にはぜひ知っておいていただきたいと思います。
特に前面道路と周囲の環境については、プラン作成前の現地調査だけでは決して把握しきれません。
その場所にずっと暮らすことになるのは紛れもなく施主様ご自身です。
ご計画の前に、ぜひご自身の目で周辺状況をじっくり観察していただきたいと思います。
以上、「オープンエクステリア」についてでした。